4年間、黒羽刑務所にいた人のブログ

        私が刑務所で服役した4年間を振り返ります

10. 無期懲役囚

 先日、新幹線内で殺傷事件を起こした人物が「無期懲役刑」を言い渡されました。
被告人は控訴する意思がないようですから「無期懲役刑」が確定する可能性が高いと思います。


 なぜ被告人(以下、彼と呼ぶ)が刑務所に入りたいと思うようになってしまったのかは私には理解できません。家庭環境、育児放棄、精神障害、いじめなど様々な要因があると思います。少なくとも非常に歪んだ考えを持っていると言わざるを得ないでしょう。被害者となった男性には心よりお悔やみ申し上げます。また、怪我をされた方の一日でも早い回復を祈っております。


 私は、元受刑者という立場から、彼がこの先どのような人生を歩むのかを考えてみました。
 まず、彼は留置場で警察官を殴っています。事件について反省していないことを体現してみせたそうですが、これは裁判には影響しないでしょう。殴られた警察官の方が可愛そうなだけです。事件送致となっていないようなので軽傷で済んだのかもしれません。


 彼は起訴後、拘置支所へ移管となっています。ここでも問題を起こしたらしいのです。なんでも貸与されたシェーバーで自分の髪の毛を刈ったとかなんとか・・・。これで懲罰となったようです。


 刑務所でもない未決囚の段階で懲罰を受けるのは、まったくないとは言いませんが、レアなケースだと言わざるを得ません。推定無罪の未決囚の面倒を見る、拘置所の職員は基本的には親切なのですが、彼は刑務所の職員もこんな感じだと思っているわけではないでしょうね・・・(*^^*)。


 ~この先、無期懲役の判決が確定したことを仮定としてお話させてください~


① 彼はどこの刑務所に収監されるか
 彼は東京矯正管区で裁判を受けました。初犯でかつロングの懲役刑ですから「LA指標」の刑務所に入る可能性が高いです。よって「千葉刑務所」が第一候補ではないでしょうか。
東京矯正管区でLA指標の刑務所は「千葉刑務所」の印象が強いです。ただし数年前から
長野刑務所」も刑期の長い受刑者を受け入れていますでのこちらの可能性もあります。
累犯受刑者や暴力団関係者は基本的にはいません。千葉刑務所は受刑者の約7~8割が無期懲役受刑者と言われています。


    ただし、ロングの刑務所は過剰収容状態であり、他の施設も検討されるかもしれません。山形刑務所岡山刑務所大分刑務所あたりです。
 ひょっとしたら「LB指標」に行く可能性も否定できません。そのうち、出所した受刑者からリークされると思います。


② 彼は真面目に刑務作業に従事するのか
 この点については判断するのが非常に難しいです。彼が刑務所に求めているものが全く分かりません。社会に居場所を見つけることができず、刑務所に入りたいと考えるようになったようですが、刑務所に入所した経験がないのにも関わらず刑務所=天国と考えてしまうのは様々な意味で浅すぎます。


 ある週刊誌の記事によれば「模範囚になり1種1類1等工になりたい」と言ったかと思えば「反則行為をやり続けて保護室に行きたい」と矛盾することを語っているようです。


 後に詳しく説明したいと思いますが、刑務所では受刑者に対して制限区分優遇区分という階級制度を設けています。
  制限区分:4種、3種、2種、1種
  優遇区分:5類、4類、3類、2類、1類
どちらも、数字が小さいほど制限が緩和されたり、より優遇措置を受けることができます。
 また、「作業等工」と呼ばれる制度もあります。10等工から1等工まであり、数字が小さいほど作業報奨金が多くもらえることになっています。


 一方、「保護室」とは刑務官に殴りかかったり、受刑者同士で殴り合いの喧嘩などをして興奮が収まらない場合に入れられる部屋のことです。ちなみにこの部屋に入れられることは「懲罰」ではありません。また、保護室=懲罰房でもありません。基本的には長期間入れられることはありません。だだし、その一方で、保護室に収容して良い期間の最大日数は決められていません。


 つまり、彼は、相反することを言っており、私には何がしたいのかさっぱりわかりません。
 ひとつツッコミを入れるとすれば、長期刑の彼はおそらく1種にはなれません。職業訓練などに受かれば別でしょうが。


③ 規律違反を行えば懲罰
 刑務所では遵守事項というルールが定められており、これに違反すると懲罰が待ち受けています。取り調べの後、懲罰審査会を経て懲罰が言い渡されます。石鹸、タオル、歯ブラシ、ちり紙など生活に必要な最低限のもの以外はすべて部屋の外に出されます。そして、朝から夕方まで正座または安座(あぐらのこと)でひたすら座ることを強要されます。イメージとしては座禅のようなものです(食事時を除く)。用便(トイレ)にも許可が必要です。報知器で願い出ます。
 そして、これが冬ならば地獄を見ます。寒冷地以外では暖房など入りません。あっという間に手足の指と耳がしもやけになります。普通の人間であれば懲りて悪いことをしなくなります。


黒羽刑務所はとにかく寒いさむいサムイ
「黒羽刑務所における真冬の独居房の室温の目安は朝:4~7度、日中:9~11度、夜間:7~9度」といった感じです。私はとある事情で時計を持っていたので、それについている温度計をもとにこの室温を知ることができましたが・・・。黒羽刑務所は設備が古く、殆どの居室はサッシ窓ではないので隙間風が遠慮なく入ってきます。
   朝方、舎房の扉が凍ってしまい、扉の開閉ができなくなったこともあったようです。
それくらいの寒さです。皆さん。行きたくないでしょう(笑)。


④ 懲罰を受けようとしないとどうなるか
 懲罰拒否と見なされれば、それに対して新たな懲罰が課せられます。それが延々と繰り返され、いつまでたっても隔離されたままです。それでも懲罰を受け入れないようであれば「処遇上」として扱われることになります。
一般受刑者に危害等が及ぶ恐れがあるので「工場」に出役させないという判断です。  


 こうなると独居房で極めて単純な作業を延々と行うことになります。部屋から出るのは入浴と運動の時だけです。もちろん他人との交談(会話)は一切禁止工場に出て作業をしていないので、懲役の最大の楽しみであるテレビも見られません食事は出ますが、一般受刑者と比べて麦飯の量がかなり少なくなります。ただでさえ少ない食事が更に減ってしまうわけです。紙や発泡スチロールでできた食器を使わされることもあります。そして、仮釈放になることもありません。



 このような気が狂うような理不尽な生活ですが、これが彼の夢のようなので何も言えませんね。
 私見ですが無期懲役は死ぬより辛い刑罰だと私は考えています


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11. 刑務所での懲罰とは何か?

 今回は規律違反をするとどの様なことになるかを書きたいと思います。


 まず、刑務所には、懲罰執行者・調査中の受刑者・集団生活が困難な者などを隔離する場所が必ずあります。反則行為をすると連行され、まず簡単な調べが行われます。それが取り調べ相当と判断されると「調査」となります。この時点で身柄がそれまでいた工場から抹消されます調査中や懲罰中に入る部屋ですが、一般の独居房と基本的には変わりありません。ただし、部屋の中で暴れたり、自傷行為の恐れのある受刑者の場合は、食器やスプーンなどが紙製だったり、衝立(用便の際に便器の横に置くもの=プライバシー保護のため)が本来の木製ではなかったりする場合もあります。そして最大の問題ですが、テレビがありません。工場に出て作業をしていないので当然ではありますが・・・。ここで軽作業をしつつ、取り調べを受けます。一度調査になると少なくとも調査終了まではもとの生活に戻れません。運動も入浴も一人です。やってしまった内容にもよりますが、1~3週間は覚悟したほうが良いでしょう。


   これらの流れは一般社会の例に置き換えるとわかりやすくなります。
 ・反則行為をした疑いのある受刑者を連行 = 逮捕
 ・反則行為の疑いが濃厚の場合は調査   = 警察官・検察官による取り調べ
 ・懲罰審査会              = 裁判
 ・懲罰内容の言い渡し          = 判決の言い渡し


 このような感じです。ですから、明らかな遵守事項違反をした場合でもいきなり懲罰となることはありません。その前に調査という名の取り調べが必ずあります。
 
 調査が終わると上述の通り「懲罰審査会」というものが開かれます。裁判のようなものですが、弁護人はいません。一応、弁護人的な役割をする刑務官もいます。起こした規律違反行為について弁明を述べる機会も与えられます。とりあえずは裁判のような感じではあるのですが、そこにいるのは全員刑務官であることをお忘れなく。その後、懲罰内容の言い渡しがあります。


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懲罰の種類(軽い方から)


不問 : 規律を違反した事実は認められなかった。(調査中止とも言います)


訓戒:厳重注意。
                
(①と②に関しては類(優遇区分)は下がりません。したがって特に不利益を受けることはありません)
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戒告


刑務作業の10日以内の停止


自弁の物品の使用又は摂取の一部又は全部の15日以内の停止


書籍等の閲覧の一部又は全部の30日以内の停止
   (ただし、被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護  に必要と認められるものを除く)


報奨金計算額の3分の1以内の削減


30日以内(懲罰を科する時に20歳以上の者について、特に情状が重い場合には、60 日以内)の閉居


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 不問や訓戒で済んだのならしめたものですが、一番メジャーなのは⑦でしょう。独居房内で姿勢を正した状態で朝から夕方までず~~~~っと座っていなくてはなりません。座り方は安座(あぐら)か正座です。姿勢を崩してはいけません。時計がないのも結構なストレスになります。なお、昼食の時間は普通に喫食することが許されます。


ちなみに、みなさんが想像するような懲罰専用の部屋懲罰房というものはありません!!!


 基本的には、調査中にいた部屋から生活に必要なものを除いて荷物は全て外へ出されます。ここで閉居の懲罰を受けることになります。用便(トイレのこと)も許可制です。報知器で願い出なくてはなりません。ただ座っているだけでも十分辛いのですが、真夏や真冬にあたったら悲惨としか言いようがありません。冷暖房なんて文明の利器はありませんから相当堪えますまた家族が面会に来ても許可されません。


 そして「お務め」を終えると、ようやく地獄から開放されます。そして、次に行く新工場の告知を受けます一番下っ端からやり直しというわけです。前にも触れましたが、元の工場に戻る場合もあります。ここらへんも日頃の行いが影響するというわけです。


 なお、喧嘩や刑務官に殴りかかるなど、興奮がおさまらない受刑者を一時的に入れておく部屋として「保護室」がありますが、その時点では懲罰の受け渡しを受けていないわけですから、そこを懲罰房と呼ぶのはふさわしくないでしょう。
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模範囚ってなんですか?


 よく社会では「模範囚」って言葉を使いますよね。要するに心より反省し、作業に真面目に取り組んでいる受刑者のことを言っているのでしょうか。模範囚であれば無期刑でも15年で出てくるとか、かつては言われていたようですが、もちろん今はそんな事はありません。


 私は、刑務所の中で「模範囚」という言葉を聞いたことがないように思います。現在の刑務所では職員が受刑者に対して「囚人」という言葉を使用することはないでしょうから、模範囚も使われなくなったのかもしれません。ただし「模範」という言葉は当たり前のように使われています。
 なお、模範的に、つまり真面目にやっていればいるほど仮出所が早くなるとお考えになるかもしれませんが、そうではありません


 懲罰を複数回受けていても身元引受人がしっかりしていれば、仮釈放は許可されます(もちろん受刑者本人の反省、被害者の処罰感情等も十分考慮されます)。初犯刑務所であれば刑期の8割前後の消化が目安になると思います。 逆に、いくら真面目にやっても引受人がいなければ満期出所となります。仮釈放で大切なのは「仮釈放準備面接(準面や仮面と略します)」以降の刑期の終盤で懲罰を喰らわないことです


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懲罰を受けないで出所することは意外と難しい。


 悪いことをして刑務所に入ったのだから、真面目に毎日を過ごすのは当たり前です。
ところで、今現在、社会で普通の生活・仕事をしている人が、仮に刑務所に入ることになったとしましょう。残念ながらそのような人でも、刑務所内では簡単に懲罰になります。
 何故かを一言で言ってしまえば、一般社会での常識が、刑務所内では通用しないからです。とても真面目そうな人でも比較的簡単に懲罰になります。ですから、「刑務所で懲罰になった」=「反省していない」ということではないことを理解していただきたいと思います。
 黒羽刑務所では入所後の3年間無事故(懲罰を受けていない状態)である人の割合は10~20%程度と言われています。つまり、8割以上の人が何らかの懲罰を受けているわけです。
 「刑務所まで来て懲罰を受けるなんて反省していないなぁ」はかなりの確率で的外れな考えです。
 なお、逆に3年以上懲罰なしの「無事故・無違反」であった場合は、その後、懲罰を受ける可能性は、かなり低くなると言われています。良くも悪くも、塀の中での生活に慣れてしまうのです。ただし、自分に対する処遇はどんどん改善していきますので、刑務所内のルールに則って生活することをおすすめします。

 ちなみにこんなことでも懲罰になることがあります。
 ・一生懸命作業に集中しすぎて怪我をしてしまった。
  (作業安全義務違反または自傷行為の疑い)
 ・洗濯に出すものを間違えてしまった。
  (不正洗濯)
 ・作業中、職員が机を叩くので何かと思って顔を上げた。
  (脇見)
 ・運動時間中に転んで怪我をした。
  (運動の際は怪我をしないようにと訓示があるので、職員の指示に従わなかった
 ・隣でおきた喧嘩の仲裁に入った。
  (喧嘩・口論等) 
 ・休みの日、自分の部屋の中で、肩が凝ったので腕を回した。
  (不正運動)
 ・同部屋のお爺さんのちり紙がなくなってしまったので、すこしあげた。
  (不正授受)
 ・体調不良がひどく、医者に診てもらえないか何度も要求した。
  (反復要求)
 ・刑務作業中、時間が気になったので顔を上げた。
  (脇見)
 ・就寝時に眠れなかったので本を読んだ。
  (起居動作時限違反)
 ・食事の配当の際、味噌汁がいつもより少ないと配食係に意見を言った。
  (不正交談)


 などなどキリがありません。いかに理不尽なことに耐えられるかが刑務所生活なのです。




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12. 新幹線殺傷事件 小島受刑者は仮釈放されるか?

これから述べることは、あくまでも私の考えです。どうぞ鵜呑みになさらないように!


 彼の無期懲役刑が確定しました。彼の仮釈放の可能性について考えてみたいと思います。


 結論から言ってしまうと仮釈放の可能性は極めて低いでしょう。其の根拠としていくつか上げてみたいと思います。


理由①
 まず前提として、小島受刑者(以下、彼)は真面目に刑務作業をするつもりがあるのでしょうか。留置場では警察官を殴り、拘置所でも未決囚にもかかわらず懲罰となっています。現時点では、反省の「は」の字も見られませんね。未決囚が懲罰となるのは比較的珍しいと思います。


理由②
 そもそも現在の無期懲役刑は、実質的には仮釈放のない終身刑と化しています。塀の中で亡くなる人のほうが圧倒的に多いのです。


理由③
 彼は公判で万歳三唱するなど、普通では考えられない行動を取り、被害者遺族の処罰感情が苛烈極まりないことは想像に難くないです。


理由④
 安全とされていた新幹線内で凶行に及び、社会に対しても非常に大きな衝撃を与えてしまいました。


理由⑤
 仮釈放されたらまた人を殺すと言っています。


理由⑥
 そもそも本人が希望しない限り仮釈放にはなりません。


 以上を総合して考えると、彼の望み通り仮釈放はまず無理でしょう。彼自身の生育環境が問題の一部ともなっているようですが、そんな事情は仮釈放の許可・不許可には全く関係ありません。


一般に模範囚であれば仮釈が許可されやすいという根拠のない説が通説となっているようですが、正しくありません。普通の生活を送っているだけで十分です。そして、普通に生活していても懲罰を食らうことはあります。ですので普通以下でも問題ありません。懲罰の回数も数回程度であれば、気にするほどの影響はないと私は思っています。


ただし、仮釈放は以下の条件を満たさないと許可されません。
 ・身元引受人がいること
 ・改悛の情があること(反省していること)
 ・更生の意欲があること
 ・再犯の恐れがないこと
 ・社会感情が仮釈放を許すこと

  
また、検察庁が被害者・被害者家族等に仮釈放について意見を聞くことにもなってい  ます。 

 仮に彼が心を入れ替えて反省したとしても、30~50年後に彼に身元引き受け人がいるでしょうか。万歳三唱した人物を遺族や被害者家族が許すでしょうか。あなたは彼の仮釈放に賛成しますか。少し考えればわかることだと思います。


 加えて、服役経験者から言わせていただくと刑務所は天国でもなんでもありません。大部分の受刑者(特に無期懲役の受刑者)は、一縷の望みをかけて仮釈放を貰おうと真面目に生活し、刑務作業に勤しんでいます。そんなところに一生刑務所にいたい、ここに来ることが夢だったと話す理解不能なやつが現れたらどうなるでしょうか刑務所で一番きついのは人間関係です。これに悩んで首を吊ってしまった人を私は知っています。彼は人間関係でも地獄を見ると思います。


(2021/08/16 追記)
 私の考えになりますが、おそらく彼は「処遇上」の扱いになっている可能性が高いと思います。
 処遇上の受刑者は「昼夜間独居」と言って工場に出て刑務作業をすることはありません。基本的に部屋から出ることなく、部屋の中で内職のような軽作業をすることになります。なぜそのような処遇になるか考えるかというと、彼のこれまでの言動を客観的に見て、彼をたくさんの受刑者が働いている工場に出してしまうとトラブルばかり起こすのではないかと思えて仕方がないからです。
 私が知る限りでは「処遇上」として扱われる受刑者は、他者と意思疎通を図ることが困難な者、刑務所の秩序を乱す恐れのある者暴力団の組長またはそれに準ずる者などです。
 「追記」黒羽刑務所は初犯刑務所なのでカタギしかいないことになっています。よって、③の理由で処遇上になっている人物はまずいないと思います。


 彼がどこの刑務所にいるのかはわかっていませんが、彼の場合は②に相当しそうです。真面目に工場に出て作業をしてくれればよいのですが、これまでの言動から、果たしてそれが可能なのか疑問符をつけずにいられません。


 処遇上扱いでいる限り、仮釈放になることはありません。仮釈放になるには、毎日しっかりと工場に出て、刑務作業をする必要があります。
 また、テレビを見ることができず、食事の量も主食がもっとも少ないレベル(C食)となります。彼は何を起こすかわかりませんから、食器などが紙や発泡スチロール製となるでしょう。


 部屋の外に出られるのは「運動」と「風呂」の時間くらいです。どちらも一人で行います。それ以外はありません。
 また、部屋の中で用もなく立ち上がったりすることも禁止されています。当然、話し相手などいません。


 普通の人間であれば数年で頭がおかしくなってきます。


 彼が処遇上であることを前提にしてしまいましたが、実際の彼は今一体どんな生活をしているのでしょう・・・。少なくとも「刑務所に入るのが夢だった」という考えは、すでに消え去っているでしょう。



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