44. 舎房配食で恐れていたトラブル
今回は、舎房の配食のお話です。そして理不尽なお話です。
この配食係をやりたい人は少数派ですがいることをお伝えしました。
前提として、平日の朝食と夕食、免業日の3食は工場から選ばれた(配食係)が、舎房にて食事の盛り付けや配膳、残飯の回収などを行います。この作業は、残業、休日出勤のようなものですから作業報奨金をいただくことができます。
作業報奨金以外のメリットは、食事を少しだけ多めに食べられることがある。くらいしか思いつきません。
※舎房配食は工場の正担当の職員が決定することが多く、ある程度信頼された受刑者しかなれません。つまり、わけの分からんやつがなることはないわけです。また、精神安定剤などを飲んでいると、なかなかなれません。例外がないわけではありませんが・・・。
しかしながら、舎房の配食係をやっていたがために懲罰になった人を何人も見てきたので正直やりたくありませんでしたね。
このような理由から、特に注意を図りながら配食を行っていたのですが 、事件は起きてしまいました。
当時、わたし達が配食を担当していたのは独居房でした。部屋数は80程度です。2名体制で私と渡辺(仮名)さんが配食時にお茶を支給する係だったのですが、そこで問題がおきました。
渡辺さんがお茶を入れたときに、それが腕にかかってやけどをしたと受け取った側が大騒ぎしたのです。しかも七転八倒していますwww。それはないだろうと思いましたよ。流石に。だって、お茶、火傷するほどそんなに熱くないもん。
私もその瞬間を見ていないので、それが本当なのか嘘なのか、ただ足を引っ張りたいだけの演技なのかわかりません。でも普段から渡辺さんと接する限り、理由もなく他人にお茶をぶっかけるようなことは絶対しないと確信できました。
渡辺さんと、火傷を負わされたと主張するA氏はすぐに連行されていきました。
このときは渡辺さんは事情を聞かれただけですぐ帰ってくるだろうと、私を含めた他の4人は考えていたのですが、結局、渡辺さんが帰ってくることはありませんでした。
・お茶がA氏にかかってしまったのは事実。
・目撃者がいない。
・渡辺さんは当然意図的なものでないと主張するも、客観的証拠がない。
との理由で、渡辺さんは懲罰を受け、他の工場に飛ばされてしまったみたいなのです。お茶をかぶった側の目的は何だったんでしょうか。渡辺さんに恨みがあった? 単に工場を飛びたかった? 病棟に行ってゆっくりしたかった? う~ん。どうしても合理的な理由が思いつきません。どうしても渡辺さんがお湯をかけたなんて思えないのですが・・・。
本来ならば、配食係には職員が付くことになっているのですが、すべてを監視するのは不可能です。こんな所でも、自分の身は自分で守るしかないのです。
こんな理不尽なことが起こっても、私たち懲役にはどうすることもできません。
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