4年間、黒羽刑務所にいた人のブログ

        私が刑務所で服役した4年間を振り返ります

58 あなたは死刑制度に賛成・反対のどちらですか

今回は真面目なテーマになります。
あなたは現在の日本の死刑制度に賛成ですか? それとも反対ですか?


日本国内での数あるアンケートでは「賛成」が「反対」を大きく上回っています。
それはなぜでしょうか。


一番の問題は「死刑についての情報が少なすぎる」からではないでしょうか。国民がよく知らなければ、議論ができるはずもないでしょう。また、日本では処罰感情が強い傾向があり、結果、死刑賛成派が大多数を締めているのでしょう。


しかしながら、私も確定死刑囚の方とお話ししたこともありません。よって、偉そうなことなど言えないことは肝に銘じております。


死刑制度を廃止すると終身刑が導入される?
仮に死刑制度が廃止され、仮釈放の可能性のない終身刑が導入されたとしましょう。元受刑者の視点からこのことを考えると様々な問題が起こりそうです。


懲役刑を科すべきか
 まず思いつくのがこれです。懲役刑つまり刑務作業をどうするのかです。現行の無期懲役受刑者は、仮釈放に一縷の望みをかけて刑務作業に励んでいます。真面目に作業・生活しなければ、仮釈放の対象にならないからです。
 仮釈放の可能性のない終身刑としてしまうと刑務作業なんか馬鹿らしい。どうせここで死ぬのだからという考えを持つ受刑者が多くなるのは想像するまでもありません。自暴自棄になり、精神的にも正常な状態を保てなくなるのではないでしょうか? 精神的に問題を抱えてしまった場合、その治療費は当然税金です。


懲役刑を科さないと・・・
 懲役刑を科さないと何も生み出すことのない受刑者となります。一般の受刑者は作業をすることで、得られたお金の極一部は「作業報奨金として自分に返ってきます」が大部分は国庫に帰属することになっています。
 つまり、終身刑受刑者が刑務作業をしないとなると、亡くなるまで、すべて税金で面倒を見ることになります


収容施設の治安秩序維持をどうするのか
 上述したとおり、終身刑の受刑者は様々な問題を抱えそうです。無期懲役受刑者と区別する必要があります。新たに終身刑受刑者用の刑務所や職員の配置が必要になるかもしれません。


以上のような理由から、私は死刑制度に賛成です。終身刑相当の被告人であれば無期懲役刑として、仮釈放を認めなければよいだけなのです。