24. 現在保釈中の方へ。収監の際に持っていくべきもの
実刑判決が下ってしまったら、刑務所に入らなくてはなりません。そこで、何を持っていけばいいのか、私の体験をもとに記事にしてみました。
①お金
これがなくては始まりません。現金で持っていきましょう。刑務所ではお金がなくても生活することはできますが、お金の有無で中での快適度がかなり変わります。お金はできるだけたくさん持っていったほうが良いでしょう。使わなかった分は、出所時にしっかりと戻ってきますので。
ただし、差し入れをしてくれる家族や知人がいる場合はこの限りではありません。
特に、下着・靴下・メリヤス・運動靴・日用品は官物(刑務所から支給・貸与されるもの)と私物で質にかなりの違いがあります。
石鹸や歯磨き粉、ちり紙などは官物の場合、以下のように使用期間が決まっています。
石鹸1個:1ヶ月(1ヶ月に1個のみ支給)
歯ブラシ:1ヶ月(1ヶ月に1本のみ支給)
歯磨き粉:3ヶ月(3ヶ月に1つのみ支給)
ちり紙(300~400枚):(1ヶ月に1度のみ支給)
ここで言うちり紙とはいわゆる便所紙のことです。便所紙がどのようなものかわからない方は検索して調べてみてください。刑務所では「ちりし」と読みます。
また、歯ブラシは1週間もすると毛先が大きく開いて使い物にならなくなります。
使用期間を過ぎないと原則として新しいものは支給されません。相当切り詰めて使わないと持ちませんので、可能な限り自分で購入するか差し入れしてもらうことをお勧めします。なお、刑務所のトイレにはトイレットペーパーはありません。自分のちり紙で拭くことになります。それも計算に入れなくてはなりません。花粉症の人も花粉が飛ぶ時期だけでも、自弁で私物を購入したほうが良いと思います。
電池式シェーバーは必ず買うか差し入れしてもらいましょう。荷物になりませんので拘置所にいるうちに手に入れたほうが良いです。これを持っていないと入浴の際に必ず髭を剃らなくてはならず、ただでさえ短い入浴時間が更に短くなってしまいます。
また、1ヶ月あたり5000円から10000円くらいあれば、日用品に加えて雑誌・単行本・新聞などを購入する余裕ができます。新聞は一般紙はもちろんスポーツ新聞も購入できます。新しい本や新聞が来るのは懲役にとって大きな楽しみとなります。
※刑務所では受刑者が持ってきたお金や差入されたお金を「領置金」として預かり、管理します。ですので刑務所内では自分でお金を所持することはありません。もちろん脅されて取られたりする心配もありません。
②郵券(切手・はがきなど)
刑務所に移送されると、「移送通知」という手紙が出せます。内容は「〇〇刑務所に移送されました」ということしか書いてはいけません。入所したての頃は月に2回しか手紙を出すことができませんが、これは通数制限外(1通として数えない)で出すことができます。
刑務所に移送される際に、便箋・封筒・切手・ボールペンを所持していれば、最短で翌日にこの移送通知を出すことができます。もちろんはがきや郵便書簡でも構いません。ご家族にどこに移送されたかすぐに知らせることができるように用意しておくことをおすすめします。
刑務所では月に1回、日用品の購入ができますが、届くまでに1ヶ月半程かかります。面会に来てくれる人がいる方は、面会の際に売店で購入差し入れできますので、この点についてはそれほど心配いりません。差し入れされたものは、原則、翌日には被収容者のもとに届きます。(ただし休日は除きます)。
③雑誌・書籍(数冊)
基本的に殆どの本が入ります。例外的に反社会勢力について書かれた本、刑務所の内情を暴露するかのような本、犯罪を助長するような本、同性愛の雑誌、過激なエロ本などは入らない場合があります。ただし、エロ本が過激という理由で入らなかったという話は聞いたことがないので(あくまで黒羽刑務所での話です)、ほとんどがOKということではないでしょうか。ただし、施設によって基準が異なることが多く、N刑務所では差し入れできたのにH刑務所では駄目だったということは十分起こりえます。
例として黒羽刑務所では、堀江貴文さんの「刑務所なう」は発売当初は検閲に引っかかっていましたが、数日で大丈夫になりました。。長野刑務所では駄目だったりするんでしょうか?
また、荷物は全て自分で持っていかなくてはなりません(手錠をかけられた状態で)。ですので、冊数が多すぎるのはお勧めしません。特に、移送先が遠い場合は新幹線や飛行機を使って移動します。多くても10冊程度で良いと思います。
移送の際は手錠を見えないようにカバーを付けてくれるのですが、かえって目立ちます。腰縄はついていますし、いかにもな人(刑務官)が数名付きますのではっきり言って一般の方が見てもひと目で分かります。恥ずかしいとかの次元を超えることになりますので、開き直るくらいの覚悟が必要です。
④差し入れ
刑務所には塀の外で購入した衣類、日用品等は基本的には入りません。また、食料品や飲料なども一切差し入れできません。ただし、施設によっては下着などを外部から差し入れることを認めている施設もあリます。差し入れする際は確認をとったほうが良いと思います。もう少し細かく書くと
・下着(シャツ、パンツ、靴下):差し入れ可能な施設あり(大阪刑務所など)
・ノート(一般的な大学ノート):差し入れ可能な施設あり(黒羽刑務所など)
・便箋:差し入れ可能な施設あり (同上)
・歯ブラシ:差し入れ可能な施設あり (同上)
・タオル:長さに制限がある。単色であれば入る場合がある (不明)
・下敷き:差し入れ可能な施設あり (黒羽刑務所など。ソフト下敷きが人気でした)
・定規:差し入れ可能な施設あり (不明)
その一方で、以下の日用品は、保安上の理由から、売店を通しての差し入れ以外入りません。
・歯磨き粉:不可
・石鹸:不可
・ちり紙:不可
・ボールペン:不可
・シャープペンシル:不可
・シャープペンシル芯:不可
・消しゴム:不可
このような感じになっています。もちろんごく一部を載せただけで、全てをフォローしていません。
前回も書きましたが、家族がいらっしゃる方は拘置所の面会を通して、荷物にならない程度に差し入れするのが確実です。拘置所で差し入れできた下着類や日用品は、刑務所でも使用できます。
⑤雑誌のもくろく
本屋やネットで注文することにより入手できます。年に一回発行されており、できるだけ新しいもののほうが良いです。文字通り、現在日本で発売されている雑誌が網羅されています。懲役の半分くらいは持っているんじゃないでしょうか。
⑥ダ・ヴィンチ(月刊誌)
こちらは小説や単行本の発売日情報が豊富に掲載されています。今まで知りえなかった面白い本が見つかるかもしれません。月刊誌です。
⑦漢字辞典(国語辞典)
できれば国語辞典と漢字辞典が一緒になっているような物がベストです。両方買うという選択肢もあったのですが、保管できる容量が決まっているため、できるだけ容積を小さくしたいのです。
⑧家族・恋人・友人・ペットなどの写真
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