41. 半官半民刑務所ことPFI形式の刑務所ってどうなのか?
日本では2007年に、従来の刑務所に代わる施設として官民共同の矯正施設の運用を始めています。この施設はPFI(Private Finance Initiative)刑務所と呼ばれています。
このPFI 刑務所は公務員である刑務官と民間の警備会社、外食産業、商社などが協働する新しい形の刑務所といえます。
現在、日本にはこのPFI刑務所が4箇所存在しています。いずれも「刑務所」と付きません。
・喜連川社会復帰促進センター(栃木県さくら市)
・播磨社会復帰促進センター(兵庫県加古川市)
・島根あさひ社会復帰促進センター(島根県浜田市)
・美祢社会復帰促進センター(山口県美祢市)
私は、職業訓練で上記の社会復帰促進センターから黒羽刑務所に来た人と話す機会がありました。
社会復帰センターと一般の刑務所の違いって何? と聞いたのですが、あらゆること、つまり何から何まで厳しくてびっくりしたと語っていました。また、
・部屋に雑居房があること。社会復帰センターは単独室しかないそうです。
・受刑者のことを、向こうでは「訓練生」と呼ぶそうです。
・そして空調設備がないことに驚いていました。
こういった話を聞いてしますと、さすがに一般の刑務所と社会復帰促進センターに収容されている受刑者は平等と言えるのか?という疑問が湧いてきます。「飯のやり取りや物の貸し借りは受刑者同士の上下関係成立の原因になるから厳禁とする」と言っておきながら、国が率先して受刑者に優劣をつけていると思えてしまうのです。
もちろん、社会復帰促進センターには初犯でかつ刑期が10年を上回らないこと、とか身元引受人がいる事など誰でも行けるわけではないようです。
でも、この条件なら私も満たしているわけで何故だーーーと思いたくもなるわけです。
まぁ、そんな事を言っていても仕方ないので話を続けますと、実は黒羽刑務所の運営にも一部ですが民間業者が参加しています。塀の中のパトロールだったり、食事の材料の手配だったりをしているそうです。舎房で着る服はユ◯クロ製だったり、布団は「お値段以上」のあの会社製だったりしています。
PFIになると大抵は良いことが多いのですが、大きなデメリットもあります。それは
食事のレベルが明らかに落ちることです。
少し考えればわかります。民間つまりは業者です。当然できるだけ利益をあげようとします。すると予算内でできるだけ利益の上がるような献立にしようとなるわけです。
そりゃ飯のクオリティも落ちるでしょう。予算が少し余ったから食事の内容を良くしようという考えには絶対になりません。
先輩に聞いた話をひとつ上げると、民間が来る前の夏場はキンキンに冷えたお茶などが出ていましたが、いつの間にか常温のぬるいにもほどがあるお茶になってしまいました。氷さえ作ってくれないのかと誰もが思ったそうです。
受刑者になってまで社会にいたときのように搾り取られてしまうわけです・・・。
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