4年間、黒羽刑務所にいた人のブログ

        私が刑務所で服役した4年間を振り返ります

26. 刑務所で病気になるとどうなる?①

全身に謎の発疹が・・・   


    ある日の朝、いつもどおり起床し飯を食べ、出役しました。検身場にて検身を受けていたところ、「お前、その身体にできたブツブツは何だ」と聞かれました。ふと、自分の体を見ると、体中に赤い斑点ができていたのです。
 当然、言われて気付いたような状態ですから、「今気づきました。分かりません」と答えました。


 結果、すぐに医務室に連れて行かれ、医者に見てもらうことになりました
このように目で見て異常がわかるような症状の場合は、比較的簡単に医師の診察を受けさせてもらえます。
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刑務所の医務
 刑務所では週に1~2回、医務回診というものがあって、体調の悪いところなどを医療課の刑務官(白衣を着装)に申し出ることができます。ただし、白衣を着ていると言っても「准看護師」の資格を持っている刑務官であって医者ではありません


 刑務所では医務回診でふるいをかけて、本当に医師の診察が必要な受刑者を選別しています。この医務回診ですが、体のドコドコの調子が悪いので診察を受けたいと言っても、なかなか医師の診察を受けさせてくれません特に痛み、体調不良、精神的な問題などの目で判別できないような症状は「とりあえず様子を見なさい」と言われ、それで終了です。ですので何度も繰り返して訴えないと医者の診察までたどり着けないのが現状です。


 刑務所側の、全ての受刑者の言うことを聞くのは不可能と言う理由は理解できるのですが、「様子を見ておけ」と判断された受刑者が、実際には手術が必要なくらいの重病だったという事実を私は見ているので、刑務所における医療体制の見直しが必要だと思います。


  また、刑務所で大手術が必要な、つまり命に関わるような病気にかかったとしても家族等に知らされることはありません。本人が手紙を書けるまたは代筆を願い出ることが可能であれば、おそらく手紙の発信は許可されると思いますが・・・。そうでない場合、連絡が行くとすれば、その受刑者が死亡したときです。


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    話を戻します。私の体の発疹について嘱託の医師には、良くわからないけど「紫斑」かもしれないなぁ。と言われました。いや先生・・・よくわからないって言わないで・・・。


紫斑】:皮膚にみられる点状出血、斑状出血を総称して「紫斑」と呼び、紫斑を主症状とするものが紫斑病。紫斑病は大別して血管に原因がある場合と、血小板が減少するか、働きの異常で起こる症状。


 ナルホド。サッパリワカラン。とりあえず、「入病」となりました。私のいた刑務所の医務は、見た目に明らかな異状があれば比較的簡単に、入病の判断を下してくれました。


入病】風邪、インフルエンザ、腰痛等の疾病に罹患した場合、病気を治すことを目的として、一般の舎房から病棟・病舎へ異動すること。(移動でなく異動と書いたのは、文字通り工場から存在自体が一時的ではありますが抹消されるためです)


 入病する際は今までいた自分の居室(舎房)にある荷物をすべて持っていくことになります。私の場合、かなり荷物が多い方だったので腰を痛めてしまいました。例えれば入院準備をして病院に向かっている途中に事故に遭うみたいな感じでした。荷物移動の際には当然刑務官が付きますが、手伝ってはくれません。「私物は極力少なくしなくちゃなぁ」と痛感しました。


 こんな感じで部屋の移動(転房・転室)をしたわけですが、このとき私は、自分の症状を心配する一方で、刑務作業をしなくていいな。ラッキーと思っていました。



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