4年間、黒羽刑務所にいた人のブログ

        私が刑務所で服役した4年間を振り返ります

23. 現在保釈中の方へ。収監までに何をすべきか


 第一審判決が言い渡され、それに執行猶予がつかなければ、その場で身柄を拘束されてしまいます。なお、控訴審や上告審ではその場では身柄拘束されません。控訴審・上告審では被告人の出廷が義務付けられていないからです。後日、検察庁から出頭するように連絡が行きます。
 在宅起訴されていた場合もほぼ同様です。その場では拘束されず、とりあえずですが、家に帰ることができます。 


 ここでは、収監される前にやっておくべきだったなぁ、やっておいてよかったなぁと思ったことを書いていこうと思います。



必ず歯医者に行く
 これから刑務所に行く予定のある皆さんへ。歯だけは完璧に治していきましょう。刑務所でも歯科治療は受けられますが、その治療内容は基本的に抜歯のみです。また待ち時間は施設によって異なりますが数カ月の場合が多いです。塀の中には歯がない人が大勢います。若い頃にシンナーに嵌ってしまった人などいろいろな理由があると思うのですが、歯抜けはやはりみっともないですよ。


可能であれば人間ドックに行く
 これについては経済的・時間的に余裕がある人に限られてしまうかもしれませんが、可能であればお勧めします。刑務所で大病を患うとかなりの確率で命を落とします保険という意味で受けてみる価値はあると思います。手術・入院が必要になった場合は収監を遅らせてもらえる場合もあります。


委任状を作っておく
 私の場合は委任状を作っていきました。これに関しては重要度は低いと思いますが、実際、2度使用したので、一応作っておいても損ではないかと思います。


病院に行く
 人間ドックとかぶってしまいますが、もし基礎疾患があり薬をもらっているのなら、病名、服用している薬の名前、薬の量をしっかりと把握しておきましょう←非常に重要です。


 実刑判決が言い渡されると先ずは最寄りの拘置所(刑務所内に拘置所がある場合もあります)に移されます。


重要】拘置所に入所する際になにか持病はないか、薬は何を飲んでいるか医師に聞かれます。警察に逮捕された場合は留置場に入る際に聞かれることが多いです。ここでも必ず申し出るようにしましょう。


    病気について聞かれたら遠慮なく「こういった病名でこのような薬が1日何錠処方されています」と投薬内容をはっきり伝えましょう。この段階なら比較的簡単に、希望通りの薬を出してもらえます。
    ただし、新しい薬はない場合が多く、似たような効能のある古い薬であったり、ジェネリック薬品になる場合が多いです。

※刑務所に行ってからでは医師の診察を受け、薬をもらうのは、かなりハードルが高くなります。必ず、留置場あるいは拘置所入所時に申し出ましょう。

 
なお、警察署で薬が出ていた場合でもその投薬内容が拘置所や刑務所に引き継がれることがほとんどですので、警察署の留置場の担当さんに相談するのも良いと思います。



 ただし、警察と拘置所は管轄が異なりますので、両方の施設の入所時に申し出るのが確実だと思います。これは、あくまで私見ですので参考程度にしてください。(申し出るという表現を使いましたが、警察や拘置所側から持病や薬についての質問があります)。
自分の病名や必要な薬の名前を言い忘れないようにしましょう。


 私の場合は、保釈で娑婆に出ることができたので、以下の薬を外の病院で処方してもらった上で刑務所に入りました
  ・ロキソニン(鎮痛・抗炎症・解熱剤)←黒羽では所内でも処方されやすいです。
  ・ムコスタ(胃炎・胃潰瘍治療剤)  
  ・ベタメタゾン吉草酸エステル(ステロイド外用剤)

       ・アレルギーの薬
 
・「ロキソニン」は高熱、痛み、炎症に効果のある万能薬的な存在ですね。あれば鬼に金棒 です。娑婆の病院で腰が痛くてたまらないといえば処方して頂ける場合が多いです。黒羽刑務所では自分で所持することはできませんでした。


・「ムコスタ」は胃の薬です。ロキソニンとセットで出されることも多いと思います。
ただし、ロキソニンを飲んでいたから貰っているという理由だと処方されない可能性があります。生まれつき胃腸が弱いということを強調すると良いと思います。こちらの薬は自分で所持可能だったかどうか失念してしましました。ただし、私の場合、胃の調子が悪くなることがなかったのでほとんど飲みませんでした。


・「ベタメタゾン吉草酸エステル」はステロイド外用剤です。汗疹、しもやけ、虫刺され、 やけどなどに強い効果があります。受刑者の多くは夏にあせもになってしまい、長期間つ らい思いをします。しかし、私の場合この薬を塗ったら1日で殆ど治ってしまいました。黒羽刑務所では自分で所持可能でした。


・花粉症対策として、アレルギーの薬を娑婆でもらっていたと言ったほうがいいです。黒羽ではポララミンという古い薬をもらっている人が多かったのですが、私は「アゼラスチン」という薬をもらっていました。こちらの薬のほうが新しいものになります。といっても今の時代、この薬も古い薬となるのであまり処方されないと思います処方されていた理由としては「花粉症」というよりハウスダストのアレルギーがあると言ったほうがいいかもしれません。年中もらえますし、副作用で眠くなりますので、真夏の暑い日でも睡眠に入りやすいと思います。黒羽刑務所では自分で所持可能でした。



 ただ、問題はステロイド外用薬をどのようにしてもらうかですね・・・。
 なにか良いアイディアはないでしょうか。



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