21. 刑務所の基礎知識① (担任制と運動会)
私が刑務所に入り数ヶ月して感じたことなのですが、刑務所って学校(主に小学校や中学校)に似ているなということです。一般の皆さんはどういうこと? と思われるかもしれませんが、別に適当なことを言っているのではありません。以下に理由を示します。
まず、基本的知識として、刑務所は工場単位に分かれていて、原則として、他の工場の受刑者と接する機会はありません。工場はもちろんのこと雑居房でも他の工場の人間と一緒になることはありません。他の工場の人と連絡をとった場合、例えば面会に行くときに、偶然顔見知りが向こうから歩いてきたので目で少しだけ合図をしたとします。一般社会では知っている人に挨拶するのが当たり前ですが刑務所では違います。「不正連絡」で二人共調査・懲罰になってしまいます。
このような一般社会とはかけ離れた規則がある塀の中ですが、刑務所も学校のような担任制を取っています。
①刑務所は担任制
小中学校に担任の先生がいたように、刑務所でも工場を受け持つ担任の職員がいます。
工場の(学級の)人数が多いと副担当の先生がいる場合があります。
②年に1回運動会があります。秋に行われることが多いです。みんなで色々なアイデアを 出し合って誰をどの競技に出場させるか決定します。本番前の1~2ヶ月は、ほとんどの人が運動会に向けての練習に取り組みます。運動会は各工場のメンツをかけた戦い言っても過言ではなく、みんな童心に帰って?とにかく一生懸命やります。特に応援合戦は見ものです。
③工場対抗
運動会ですから当然工場同士で得点を争います。自分の工場が仲の悪い刑務官の工場に 負けたりするとオヤジの機嫌がびっくりするほど悪くなります。う~ん こわいこわい。
ここではあえて運動会の例を出させていただきましたが、工場の正担当および副担当の職員は学校で言う担任の先生のようなものです。適当なことをやれば、これでもかというくらいに怒られます。時にはそれがきっかけで悩んでしまう受刑者もいます。悩みに悩んだ末、自分が悪かったと理解すれば、職員(オヤジ)に頭を下げに行きます。怒られているということは、刑務官側から見れば、もっともっとできるんじゃないのか? 手を抜いていないか? という意味が込められているのです。お前はそんなもんじゃない!もっとできる! というメーセージです。
逆に、何を言ってもダメな奴と判断されればあまりうるさく言いません。このような受刑者はきっと再犯を犯すのでしょうね。職員が見放しているのですから・・・。出所してもすぐに帰ってくるでしょう
工場担当の刑務官は敵ではなく味方なのです。そうでなければ、そもそも「オヤジ」なんて呼び方はしないでしょう?
もくじ①:https://20692793118279.muragon.com/entry/35.html
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