4年間、黒羽刑務所にいた人のブログ

        私が刑務所で服役した4年間を振り返ります

29. 刑務所で病気になるとどうなる?④

一般刑務所の医療とは

 先にも述べたと思いますが、黒羽刑務所のお医者さんはおそらく内科が専門なのではないかと思います。
 また、医療設備も最低限のものしかなく、私の体にできた赤いブツブツは結局原因不明のようでした。


 刑務所で行う治療は原則として対症療法です。痛みがあるなら痛み止め皮膚に異常があるなら塗り薬歯が痛いなら痛み止めか抜歯といった具合です。


 例えば、腹や胸や頭が痛くてもとりあえずは痛み止めで様子を見ます。それが結果的に心筋梗塞であろうが、がんであろうがです。CTやMRIなど、診断に必要な高度な検査機器がないのでどうしようもないのでしょう。(黒羽刑務所の場合です)。


 また、痛みの原因を検査をするためだけに外の病院に連れていくことはまず無いでしょう。そのようなことになれば、俺も俺もと、なんの痛みのない連中が大勢希望するに決まっています。従って外の病院に連れて行ってもらえるのは目に見えて症状が悪化したときでしょう


 一方で、外治(外部の病院等で治療を受けること)を受ける受刑者は少ないですが何人か見たことはあります。そのうち一人は目の病気だったと思います。おそらく、刑務所に入る前から目に病気があることを伝えていたのでしょう。つまり、外治を受ける合理的理由があるのなら許可をするが、そうでない場合はギリギリまで刑務所の病棟で適切か定かでない治療を受ける羽目になるということです


 時々、夜中に救急車が刑務所にやって来ることがあります果たして救急車で運ばれた人はどれくらい生きて帰ってくるのでしょうか? あまり考えたくはありません。


 刑務所では被収容者が自殺した場合は、それについて公表しますが、病死の場合はそうではない傾向があると思います。


 刑務所では社会と同水準の医療が完備されているなどと言われていますが、私はそうは思いません。社会では助かるような症例でも刑務所では死に至る可能性が高いと言わざるを得ないのが現状でしょう




もくじ①:https://20692793118279.muragon.com/entry/35.html
もくじ②:https://20692793118279.muragon.com/entry/36.html
もくじ③:https://20692793118279.muragon.com/entry/60.html